遠隔の聖地に詣でることを巡礼といい、世界の諸宗教においても重要な宗教儀礼となっています。日本の巡礼は、平安期に盛んとなるが、当初の巡礼はほとんどが修行僧による修行で、相当な日数と苦行がともなうものでしたが、室町以降になると一般庶民も巡拝するようになり、おおいに大衆化し、西国三十三観音巡礼や四国八十八ケ所巡礼での遍路(へんろ)霊場などを巡り、各札所(ふだしょ)寺院に納経(写経したもの)をおさめ、その受納のしるしに閻魔(えんま)の宝印を象徴する印(三宝印・御朱印)を押してもらい、極楽浄土への旅立ちを願うものでした。
そして、交通機関の無い当時、西国や四国の遠路巡礼できない人々が身近にお参りできるように、この三浦の地にも、古くより札所が定められ、庶民の信仰をあつめました。